口コミだって立派なマーケティング! 一般消費者を活用する秘訣とは?

コンテンツマーケ教室

あなたは商品やサービスを購入する際、何を決め手に「ポチッ」とクリックしていますか? 実は競合製品や価格、機能の検討を終えたあとに、7割の人が口コミを見て購入を決めているという調査結果があります。
企業はもちろんこの事実に注目しています。購入動機に大きく影響する口コミ。この口コミにフォーカスしたマーケティングを、口コミマーケティングと言います。

口コミマーケティングとは?

口コミマーケティングとはそのネーミングの通り、一般消費者の口コミを活用して商品やサービスの購入を促すマーケティング手法です。もともとは現実の口コミを意味していましたが、ネット全盛の現在ではSNSやネットショップでの口コミを指す場合が多く、バズマーケティングとも言われます。

口コミは基本的に、悪いことも良いことも公平に伝わります。もし誰かが意図的に悪いことを広めようとしても、それが現実と矛盾する内容であれば反対を唱える口コミも必ずあるからです。消費者にとっては、その商品やサービスに対する口コミ全体を見ることにより、購入に関する正しい判断を下すための材料になります。

また企業にとっては、その波及効果が魅力です。口コミをうまく使うことによって、コストをかけずに商品やサービスの魅力を爆発的に広めることができます。

インフルエンサーマーケティングとはどう違うのか?

スニーカーを宣伝する女性

費用のかかる広告をせずに価値を広める方法としては、その商品やサービスに高い影響力を持つ人(インフルエンサー)をマーケティングに活用する、インフルエンサーマーケティングという手法もあります。口コミマーケティングとの違いは、インフルエンサーが存在するか否かです。

本来インフルエンサーとは、その商品の長年の愛用者やその業界を代表する評論家など、企業から宣伝費を受け取ることなく自分の意志によって商品やサービスを紹介する人たちを指していました。ところが最近は、本来のインフルエンサーと企業から依頼を受けたプロとの区分けが曖昧になりつつあります。例えば中国では、KOL(Key Opinion Leaders)マーケティングと呼ばれる、SNSや動画サービス上で商品を紹介するプロを使ったマーケティングが流行しています。

口コミマーケティングは、あくまで一般消費者を活用することが特徴です。

口コミマーケティングのメリット・デメリット

SNSによる口コミ

それではここで口コミマーケティングのメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

SNSやブログとの相性が良く、拡散性が高い

口コミマーケティングが持つ波及効果は、SNSやブログの拡散性があってこそ真価が発揮されます。
まさにSNS時代に適したマーケティング手法と言えるでしょう。ネットショップの評価や口コミなども、拡散性が高いと言えます。

消費者からの信頼性が高く、強い販促効果がある

企業側からの広告ではないという信頼性が、口コミマーケティングの命です。多くの人が認めているというリアルな価値は、強い販促効果を生みます。

コストが抑えられる

口コミマーケティングは、口コミをコントロールするのではなく、口コミになるような話題を提供するマーケティング手法です。広告とは違い、コストをミニマムに抑えることができます。

笑顔の上司

コストをかけずに販促効果が望める口コミマーケティングですが、実行する際には細心の注意が必要です。それは以下のような危険性(デメリット)があるからです。

デメリット

ステマと勘違いされる危険性

消費者を裏切るような行動(口コミを故意にコントロールする、等)や、ステルスマーケティングと勘違いされるような行動は、メリットを消してしまうだけでなく企業のイメージに深刻なダメージを与えかねません。拡散性があるということは、負のイメージもすぐに拡がるのです。

炎上のリスク

上記のデメリットと似ていますが、消費者の口コミはコントロールすることができません。コンテンツマーケティング全体に言えることですが、話題を提供する側には言葉遣いなども含め、公正で中立的な姿勢が求められます。一度SNSなどが炎上してしまうと、コントロールは困難を極めます。

思った通りに効果が出るとは限らない

繰り返しになりますが、口コミはコントロールすることができません。思ったような効果が出ない場合には、口コミの方向性を確認して問題点を明らかにすることが重要です。

口コミマーケティングの成功事例

ソフトバンク(SoftBank)

口コミの波及効果をうまく活用し、商品の認知に寄与させた成功事例をご紹介しましょう。
まずは既に終了していますが、そのインパクトで話題となったソフトバンクの「ケータイ代一生分無料キャンペーン」です。

ソフトバンクの「ケータイ代一生分無料キャンペーン」

この企画はソフトバンクのFacebookページ開設一周年を記念して行われたもので、抽選で一名が約500万円分(ケータイ代一生分)の商品券をもらえるキャンペーンでした。Facebookとホームページに出された告知は瞬く間に拡散され話題となって、十五万人以上がキャンペーンに応募しました。このように、話題となるキャンペーンを行うのも口コミマーケティングの手法の一つです。

ダイソン(Dyson)

次は本当のユーザーを使った体験型(?)口コミマーケティングの成功事例です。英国の家電メーカー、ダイソンが行った「Dyson Relay」というキャンペーン。

Dyson Relay

これは新発売(2013年3月当時)となった掃除機DC48を、五人一組のユーザーチームがリレー式に使用し、レビューを公開していくというもの。滞りなく5人のリレーが終了し、おのおののレビューが投稿されれば、バトン代わりに使われたDC48はそのままもらえました。

この口コミマーケティングの素晴らしさは、キャンペーン自体が話題となって拡散されたことはもちろん、5人に対して1台プレゼントされたDC48です。残りの4人にDC48は手に入らないわけですが、(4人がその後DC48を購入したか否かは別として)ダイソンというメーカーの掃除機を強く印象づけることには成功したと言えるでしょう。

まとめ

口コミマーケティングは効果が期待できるものの、綿密な計画と細心の注意が必要なマーケティング手法です。ステマと勘違いされたり、ちょっとしたことから炎上を招くことのないように注意して実行しましょう。

注意すべきことは、決して口コミをコントロールしようとしたりせず、ユーザーの関心を惹くような話題の提供に徹することです。

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