必要なコンテンツは揃ってる? 企業のホームページにありがちな痛い勘違い

コンテンツマーケ教室

今さら言うまでもなく、顧客の購買行動にWeb検索は不可欠のプロセスです。語弊を恐れずに言うなら、しつこい売り込みや広告を気にすることなく、落ち着いて納得のいくまで商品やサービスの情報を手に入れられますからこれは当然のことでしょう。

ところがこんな顧客の思いとかけ離れた、自社の言いたいことばかりが掲載されているホームページも、まだまだ散見されるのが現実です。みなさんもそんなホームページ、見たことありませんか? そして、そんなホームページ見たいですか?

もう一度確認しよう! 顧客は何を知りたくてホームページを訪問するのか?

WEB検索をする男性

以前、マーケティングに関わる相談を受け、あるベンチャー企業を訪れたことがありました。創業から数年の、オーナー社長が経営する社員十数人の企業です。取り扱っていた商品は自社ブランドの化粧品。社長は商品に絶対の自信を持っていて、値引きや値崩れを嫌ったので通信販売が主な販路でした。

女性読者が主の雑誌に広告を掲載し、無料の試供品提供から定期購入につなげていくマーケティング。顧客とのコンタクトウィンドウは、電話とホームページでした。相談内容は新規顧客獲得と、リピーターの維持につながるマーケティング。要するに今まで続けてきたマーケティングでは新規顧客獲得が伸び悩み、リピーターも減り続けている状況、というわけです。

社長の顔を見れば顧客は安心する?

今までのマーケティングについて企業側から説明を受けていると、あることに気がつきました。
雑誌の広告、ホームページの商品紹介、説明の動画に至るまで、すべて社長が前面に出ているのです。もちろん化粧品の広告なので効果を示す画像には女性も出てきますが、効果を説明しているのは社長です。理由を尋ねたところ、社長いわく「社長の顔を見れば顧客は安心する。社長の顔が見えない企業など信用されないし、商品など買ってもらえるワケがない」ということでした。

改めてホームページを見てみると、企業概要のページには「社長の挨拶」が長々と掲載され、「社長の経歴」、「社長の信念」などにも多くのページが割かれていました。この企業のホームページは、商品を売るのではなく【社長を売っていた】のです。
顧客にとって、社長が誰でどのような考えを持っているかなど、本当に必要な情報でしょうか? 結局マーケティングの相談(商談)はまとまらず、数年後、この企業は姿を消しました。極端ではありますが、顧客が何を知りたくてホームページに来るのかまったく理解していなかった例です。

皆さんなら、このようなホームページをどう思いますか?

顧客の欲しい情報を真剣に考える企業が生き残る

企業の代表者

もちろん、経営者を前面に出して成功した企業もあります。CEO自らがマーケティングの前面に立ち、商品の付加価値として自分をアピールする場合です。この主従関係を間違えると、マーケティングは失敗してしまうことが多いようです。

一般的に企業のホームページを訪れる顧客が欲しい情報は、以下の3点に集約されるように思います。

  • 商品やサービスの情報
  • その商品の仕様やサービスの内容。商品に対する自分の理解を深めるための情報。

  • 商品やサービスを使うシーンの情報
  • 自分がその商品やサービスを使っている場面を、想定させてくれる情報。使用例や経験談など。

  • 自分の欲求への確信
  • 欲しいと思うことは正しいという確信につながる情報。困っていることや悩みへの共感。
    (例)こんな事で困っていませんか?(共感) → 解決方法の提案(確信)

このような要素がしっかり揃ったその上で、企業情報が必要とされるのです。顧客が企業情報に求めているのは、安定してその商品やサービスが提供されるかを確認できる情報程度なのではないでしょうか?

独りよがりに情報を提供することは、決して得策ではありません。信頼関係のない相手に一方的に情報を発信しても、相手は受け入れる状態にないからです。動画サイトで観たい動画を視聴する前に、数秒間見たくもない広告を見せられ、イライラした経験はありませんか?
広告収入の仕組みは理解できても、このような状態で無理に情報を提供し続ければネガティブキャンペーンにすらなってしまうでしょう。自社の商品やサービスの特徴を理解した上で、顧客がどのような情報を欲するのか真剣に考える企業こそが、事業を継続できると言っても過言ではないのです。

顧客の要望を満たすコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティング

上記に書いた「商品やサービスの情報」、「商品やサービスを使うシーンの情報」、「自分の欲求への確信」を効率よく顧客に提供できるのが、コンテンツマーケティングです。

商品やサービスの情報
豊富な写真や図、動画でわかりやすく情報を提供
商品やサービスを使うシーンの情報、自分の欲求への確信
(一般消費者に向けた製品)→ブログやSNSを活用して実施例やイベント情報を提供
→情報を拡散してもらえる効果も期待できる
(企業向け製品)→ebookやホワイトペーパーでソリューションや統計情報を提供

提供方法を間違えると、ネガティブキャンペーンにすらなってしまう商品やサービスの情報提供。第三者的な目で自社のホームページを見ることができる、社外の専門企業と組むのも解決策の一つです。Web解析やSEO対策の知識とノウハウを豊富に持ち、コンテンツマーケティングの相談に乗れるパートナーが必要なのではないでしょうか。

【参考】

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まとめ

ノートパソコンを見る女性

独りよがりに宣伝を押しつけたり、顧客が欲していない情報を掲載したホームページは、決して受け入れられません。少しでも気になる場合は、各ページの「直帰率」と「回遊率」を定期的にチェックしてみましょう。

「直帰率」が高い、もしくは「回遊率」が低ければ、顧客の期待するコンテンツが用意されていない【可能性大】です。

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