WEBマーケティングの手法は実際に試してみると上手くいかないこともあり、どのマーケティング手法が正解なのか悩ましいこともあるでしょう。その中でも「コンテンツマーケティングは直接的な効果が見えづらい」という声をよく耳にします。
今回はコンテンツマーケティングの成功事例から学べる5つのポイントについてご説明します。
コンテンツマーケティングの成功事例
コンテンツSEOに注力する形と、認知から売上までの一連のプロセスを強化する形が見受けられます。
コンテンツSEOとはいわゆるSEOを意識したブログなどのコンテンツによってユーザーを集客すること、コンテンツマーケティングは集客から問い合わせ、会員登録、商品やサービスの購入に至るまでを戦略的に考えることです。
それぞれの企業がどのような形で成功し、数字に表れるようになったか見てみましょう。
Berlitz blog
Berlitzは英会話を学べるサービスであり、コンテンツマーケティングを始めてから、月間で200件以上の直接の問い合わせが増えたという結果が出ています。
しかも、ブログは週に1回の更新で月間65万PVがあり、コンテンツマーケティングの成功事例として非常に良い数字が出ていると言えるでしょう。
注目したいのは英会話のコンテンツで音声を導入していることや、検索結果に表示されるタイトルで求める答えがわかるように工夫をした点です。
サイトに訪れなくても答えがわかるというのは、一見アクセスされなそうに見えますが、答えがわかる=信頼における、安心感があるということに繋がることや、ユーザーに寄り添ったコンテンツ制作をしていることがわかります。
LISKUL
LISKULはソウルドアウト株式会社が運営するデジタルマーケティングについてのオウンドメディアです。公開から半年で月間35万PV、無料のeBookのダウンロードが800件、問い合わせが200件という結果が出ています。
記事の本文下やサイドメニューに無料のお役立ち資料をダウンロードできるといったホワイトペーパーのCTAを配置してリードを獲得しています。
ホワイトペーパーをダウンロードするためには、メールアドレスや会社名、担当者名、電話番号などを記入する必要があり、少なからず興味や関心を持っている潜在的なユーザーの情報を上手に取り入られる仕組みになっていると言えるでしょう。
また、問い合わせするのはハードルが高いと感じているユーザー、情報収集だけしたいというユーザーも、気軽にダウンロードできるのもホワイトペーパーの魅力です。
ブログによって集客し、ホワイトペーパーでリードを増やす、そして問い合わせに繋げるというコンテンツマーケティングの戦略が見えてきます。
井上熱帯園株式会社
井上熱帯園株式会社では、83コンテンツの内51のコンテンツが検索結果で1位、月間40万PV、5555個ものキーワードで検索結果上位に表示されるという結果が出ています。
実際にサイトを訪れてみると、観葉植物についての情報が網羅されていて、見ていて安心感や信頼感をユーザーに与えやすい仕組みです。観葉植物というジャンルに特化した情報を拡充することで、他サイトや企業との差別化だけでなく、一歩先を進めるような形になります。
また記事の本文下にそっと、観葉植物のレンタルを問い合わせる電話番号が記載されている程度で「読んだなら何か買って!」といった、ユーザーが嫌がるようなガッツリ営業の作りにはなっていません。
どの成功事例でも、まずはユーザーのことを考えるという、ユーザビリティの基礎が活かされていると言えます。
コンテンツマーケティングの成功事例から学べる5つのポイント
次はコンテンツマーケティングの成功事例をもとに、どうすればユーザー目線、ユーザーありきでありながらアクセスアップに繋がるのか、5つのポイントについてご紹介します。
①売上に繋げるための導線がしっかりしている
KPIを設定し、そのKPIを達成していくことで最終的な目標(KGI)を達成できる!というのが成功の仕組みです。
まずはコンテンツSEOによってアクセスを増やすことで、問い合わせや商品の購入、サービスを利用してくれるユーザーの分母が増えます。しかし、ユーザーが問い合わせしたり、サービスを利用するためのCTAが備わっていなければ効果は出ません。
記事やコンテンツ内には必ず問い合わせやサービスを利用するための促しがあることや、読み終えた後にさらに詳細な情報を手に入れられる仕組みなど、段階的にユーザーの取り込みをする流れを作ることが大切です。
②ユーザーが次の行動を起こせる仕組みが用意されている
実はサイトを訪れたユーザーは「見るだけ」という状態に退屈することがあります。
例えば、欲しい情報を手に入れたらすぐに離脱してしまうユーザーも、興味のある関連したコンテンツが配置されていれば、他にどんな情報があるのかクリックをするでしょう。
サイドバーに関連記事を表示したり、ページ下部にSNSのフォローボタン、見やすいメニューを作ったりなど長く滞在しやすいユーザーインターフェイスを考えることもファンを増やすためには重要だと言えます。
③商品やサービスありきではなく「ユーザー目線」
どのサイトにも共通したのがユーザー目線であるということ。企業としては、やはり商品やサービスの広告効果を狙ってコンテンツを制作したくなりますし、従来のSEOは企業や商品重視のコンテンツ制作だったと言えます。
ユーザー目線で有益なコンテンツを制作することで、企業やサービス、商品では扱えないキーワードを盛り込めるようになり、従来のSEOよりも幅広いユーザー層を取り込むことが可能です。
またオリジナリティのある質の高いコンテンツを拡充することで、同業他社との差別化となり、上位に表示されコンテンツが開かれれば、結果としてファンの増加に繋がるでしょう。
④ニーズを育てる仕組みがある
それぞれのサイトを見ていると、サイト訪問させる仕掛け、次に問い合わせや資料請求など行動を促す仕組みがある。検討プロセスに合わせたコンテンツを配置することで潜在ニーズを育て、最終的に商品やサービスを利用してもらうという仕組みです。
例えば、「悩みを解決できるだけでいい」と考えているユーザーに対して、商品の良さや利便性を提示しても売れ無いですよね?
しかし、ユーザーの悩みを解決するコンテンツを経由して商品を紹介をされたなら、ユーザーが興味を持つだけでなく購入するきっかけになりやすいです。
どのような仕組みでユーザーを育てるか、またユーザーと企業の双方が喜べる方法を模索していきましょう。
⑤ユーザーに嫌がられない仕組みや文言を利用している
質の良いコンテンツに共通して言えるのは「有益な情報が無料」だという点です。
逆に言えば、どんなに質の良いコンテンツでも、最終的に何かを買ったり、お金を払わなければならないということが見え透いていれば、やはりユーザーは嫌がります。
もちろん、コンテンツマーケティングも無償の奉仕ではありませんので、一定の結果を出す必要はあるにせよ、成功事例を見ている限りでは「儲けよう」という企業やサービス重視の意図が感じられません。
どちらかと言えば「もしよかったら、こちらも見てください」といった程度の広告、またはお役に立てることがあればお気軽に問い合わせください程度の文言があるくらいです。
常にユーザー目線で考えることで、ユーザー側から寄り添ってもらえるような仕組みを作ることが重要だと言えますね。
まとめ
コンテンツマーケティングでは闇雲にコンテンツを増やすのではなく、まずはユーザー目線を感じ取れるようになること、企業重視ではなくユーザー目線を重視することを大前提にサイト運営やコンテンツ制作を心がけることが大切です。
自社が持っているノウハウや知識、経験などを惜しみなく提供することで、結果として効果が表れてくるでしょう。
企業やサービスとして、ユーザーに嫌われることなく、逆に好きになってもらえるようにコンテンツマーケティングを運用することが最大のカギとなることを忘れないようにしてくださいね。