コンテンツマーケティングの市場規模と”これから”必要な要素とは?

コンテンツマーケ教室

コンテンツ マーケティングという言葉が普及して久しいこのごろ。
ありとあらゆるジャンルにおいて多種多様なコンテンツが乱立する時代になりました。
今やどんな疑問や悩みに対しても、ググればすぐに何らかの回答を得ることが可能、つまりユーザーにとってものすごく便利な時代になったわけです。一方でコンテンツ提供者側からすれば、見てもらいたい情報をユーザーに見つけてもらいにくい苦しい時代になったと言えます。

そんなレッドオーシャン化したコンテンツマーケティング市場において他社と差別化を図り、効果を上げていくためにはどうすれば良いのでしょうか?
そのカギは、Google、そしてGoogleが目指すところであるユーザーファーストの目線をいかに取り入れていけるかにあります。今後のコンテンツには、専門家による監修やオリジナル画像・動画の設置などを記事内へ設置し差別化することが必須です。
それではコンテンツマーケティングの現状とこれからの戦略について考えていきましょう。

「これまで」のコンテンツマーケティング

商品やサービスを直接売り込むのが「広告」です。広告ではなく、関連する読み物や漫画、映像などといった「コンテンツ」を起点としたマーケティング手法があります。これは実はマーケティングの歴史において古くから存在する手法の一つでした。

しかしインターネットが新たなインフラとして普及し始めた当初は、「広告」主体でした。
WEBにおけるマーケティング活動は、バナー広告、それからリスティング広告へと表示形式や方法論を変えながらも、あくまで「広告」に寄ったものだったのです。

プッシュ(Push)型からプル(Pull)型へ

プッシュ型からプル型へ

インターネットにおけるマーケティング活動が成熟していく中、2010年頃から注目されるようになったのが「コンテンツマーケティング」です。広告によって直接的に「売り込む」のではなく、コンテンツによって「問題解決」を提示することで顧客を獲得するものです。日本でも2014年頃から取り入れる企業が増えはじめました。

その背景には、リスティング広告の効果の薄れ、クリック単価の上昇による費用対効果の悪化などの要因があると言えるでしょう。

コンテンツマーケティングの現状

コンテンツマーケティングの現状を知るために、まずは国内のSEO市場について確認していきましょう。

国内SEOの市場規模

国内SEOの市場規模

【図表】クロスフィニティ株式会社「2016年度版国内SEO市場予測(2014-2018)」を参考に弊社作成

ちょっと前のデータにはなってしまいますが、クロスフィニティ株式会社が2016年に公開した「2016年度版国内SEO市場予測 (2014-2018)」によれば、2015年の国内のSEO市場規模は295.4億円。2018年には500億円を上回ると見込まれていました。(2018年の市場規模は発表され次第更新いたします。)
SEOの手法は時代にともなって変化していますが、SEO市場規模については、いまだ拡大傾向にあると言えるでしょう。

国内SEO市場拡大に伴うクラウドソーシングの市場規模

画像引用元: 矢野経済研究所(https://japan.zdnet.com/article/35092878/

コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えることで、活用されることが増えたのがランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスです。社内リソースだけで記事コンテンツを量産するのが難しいというケースは多く、こうした企業ではクラウドソーシングを活用してライティング業務を外注化する流れが一般化してきたのです。
矢野経済研究所の2016年の調査によれば、日本におけるクラウドソーシングの市場規模は、2016年度の950億円から、2020年度には2,950億円に達すると予測されています。

市場拡大によるコンテンツマーケティング効果の薄れ

近年ではコンテンツマーケティングに取り組む企業が増えることにより、WEB上に存在するコンテンツの総数も増加しました。クラウドソーシングを活用し、格安で作成した記事も氾濫している状況です。
コンテンツの総数が少なかった時期にはコンテンツを作るだけで新たなマーケティング効果が期待できました。しかし膨大な量のコンテンツが存在する現在では、従来どおりのコンテンツ制作方法では効果が期待できなくなってきています。

日本でコンテンツマーケティングが注目され始めた2014年頃、アメリカではすでに「コンテンツショック」という概念が登場しています。コンテンツショックとは、コンテンツの需要と供給のバランスが供給側に大きく偏ることにより、コンテンツマーケティングの効果が薄れるという考え方です。
比較的早期からコンテンツマーケティングを導入する企業が多かった業界はもちろん、WEBを活用したマーケティングへの取り組みが遅れているとされていた業界(アパレルなど)においても、コンテンツマーケティングは広く普及しています。
こうした状況では、新たにコンテンツマーケティングに参入したとしても、期待したような効果を得られない企業も少なくないでしょう。

「これから」のコンテンツマーケティング

たび重なるGoogleアップデートによる効果の薄れ

Googleアップデート年表

検索エンジンのシェアは全世界、さらには日本国内においてもGoogleが90%以上を占めているため、現状、SEOとは「Googleの検索アルゴリズムにいかに最適化するか」という取り組みであると言い換えることができます。
そんなGoogleは、検索アルゴリズムのアップデートを常日頃行っています。無数に存在するWEBサイトをより適正に評価し、よりユーザーの検索意図に沿った検索結果を表示するためです。
検索結果の変動への影響が大きかった近年のアップデートとしては、コピーコンテンツやオリジナリティの少ないコンテンツを低評価とする「パンダアップデート」や、上位表示を意図した不正行為(外部リンクの購入やクローキングなど)を取り締まる「ペンギンアップデート」が有名ですね。
2017年12月に日本語検索において、医療や健康に関連するページの評価方法の大幅なアップデートが行われたのも記憶に新しいところです。「健康アップデート」と呼ばれるこのアップデートは、その後何度も調整が繰り返され、関連するサイトでは検索順位が安定しない状況が続いています。

こうしたたび重なるGoogleの検索アルゴリズムアップデートによる検索順位の変動を受け、コンテンツのPV数、さらにはCV数に多大な影響が生じてしまったという企業の声をよく聞きます。

今後のコンテンツに必要とされる要素は?

専門家による監修

先述の日本語検索における「健康アップデート」に関連して、改めて注目されているのがGoogleの品質評価ガイドラインにある「YMYL」と呼ばれる考え方です。
YMYLとは「Your Money or Your Life(お金または人生)」の略で、現在または将来の健康や経済の安定、安全性に大きな影響を与えうるページのことを指します。
Googleは、YMYLのページは専門性や権威性のある、信頼できるサイトに掲載されなければならないと示しています。
健康アップデートでは健康や医療にまつわる検索クエリが対象とされましたが、YMYLの対象となるその他クエリについても、同様な対応がされていくと考えられています。
具体的には、お金(金融、クレジットカードなど)や人生における重大な決断に影響する内容(子育てやしつけ、住宅購入など)などにまつわるクエリです。
YMYLの対象となる内容のページでは特に、専門性や権威性を示す方策の一つとして、専門家による記事監修やサイト監修の必要性が高まってくるのではないでしょうか。

オリジナル画像

記事内への適切な画像の配置は、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上および滞在時間の増加につながる要素です。
SEOの観点では、画像の内容を文字情報としてGoogleのクローラーに伝えることが重要です。そのためには代替テキスト(alt属性)の指定や、アンカーテキストなどを適切に設定します。
画像選びにおいては、記事の内容に適した画像であることが大切です。それに加え、オリジナル画像であることも、今後はより重要性を増していくでしょう。膨大な数のコンテンツが存在する現在、フリー素材などの画像は複数の他サイトと重複する可能性が高いです。他と重複する画像を使用していることでオリジナリティの低いページであると評価されかねません。

オリジナルのキャラクターも差別化を図るにはもってこいですね!

オリジナル動画

近年では若年層を中心に、動画コンテンツの人気が高まっています。オリジナル動画も、今後はより求められるコンテンツの一つであると言えるでしょう。
SEO的な視点では、動画の有無によってGoogleのページ評価が変わることはありません。ただし、動画が再生されることによる滞在時間の延長や、被リンクの獲得などにより、結果的に検索順位が上昇する可能性は高いです。

まとめ

コンテンツマーケティングの過去と現状を踏まえ、今後コンテンツマーケティングにおいてどのようなことの重要性が増していくかについて考察してみました。
自分がユーザーとして検索する立場の場合で考えてみれば、Googleのページ評価に対する方針やアップデートはどれも理にかなったものであると感じられるはずです。
現状のGoogleアルゴリズムへの最適化だけを考えた施策は、アップデートで意味のないものになりかねません。「ユーザー目線に立って良質なコンテンツを作成すること」こそがSEO対策の本質であり、これからのコンテンツマーケティングにおいてより大切になっていくはずです。

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